2005年12月17日

夢を与える仕事。

今年も冬がやってくる。街が灯りと笑い声でいっぱいになる日が近づいてくる。
もうすぐクリスマス。


でも、今年も彼とは一緒にクリスマスを過ごすことはできないんだろうな。

彼はいつも仕事の話になると話をそらす。
この時期になると、決まって忙しそうにしてる。

言わなくても私には分かってる。
クリスマスには、世界中の子供達が彼を待ってるんだ。




―そう、きっと私の恋人はサンタクロースなのだ―



彼はそんなことあるわけないって笑ってた。

何も言わなくていい。
私は、そんな彼を愛しているのだから。


街中の人々がクリスマスを祝っている。
私も、愛する家族と楽しい時間を過ごす。

ここに彼が居てくれたらどんなにいいだろう。

子供達も、父親がいないクリスマスは慣れっこで、「今年はサンタさん何くれるかなぁ車
なんてはしゃいでいる。
本当に、今年は子供達に何をプレゼントしてくれるのだろう。



子供達が寝静まった後、私は一人で彼の帰りを待つ。
いつもこうだ。
でも、毎年気がついたら寝てしまっているのだけど。

今年は何故か、彼の働く様を見てみたいと強く思っていた。

ちょうどその時、遠くから鈴の音が響いてくる。
そして、すぐ近くで音が止んだ。


来た!


すぐさま子供部屋に走ると、勢いよくドアを開けた。

中に入ると、真っ赤な衣装と白い髭に身を包んだ男が、子供達の枕元にプレゼントを置いているところだった。

「あなた!あなたなのね!」

「何を言ってるんだ。僕は君なんて知らない」

「とぼけなくてもいいの!私、ずっと知ってたんだから!」


そう言うと、おもむろに彼の髭と帽子を脱がそうと手を伸ばす。

「やめろ!僕は本当に君なんて知らない!」
そうして、明らかになるサンタクロースの素顔―









10分後、私は晴れ晴れとした表情で外を眺めていた。
鈴の音が、ドンドン遠ざかっていく。


髭と帽子をはぎとられたサンタクロースは、私の愛する彼ではなかった。

そう、彼はサンタクロースじゃなかった。

でもいいの。
彼の正体もわかったし。
でも、これからもクリスマスを彼と一緒に過ごすことはできないだろう。







クリスマスの暗い夜空を走るためには、彼の真っ赤なお鼻が必要なのだから。
posted by 膝枕。 at 01:38| Comment(3) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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